性暴力被害者支援センター・ふくおか

092-409-8100

被害にあった男性の方へ

男性・男の子も性暴力にあうことがあります
あなたが男性であっても、相手がどんな性別であっても、
あなたの同意なくからだに触れること、
性的接触をすることは性暴力です

勃起や射精は合意したという証ではありません
からだの自然な反応であり、あなたの気持ちとは無関係なのです

つらくなったり、だれかに話をきいてほしくなったら、
いつでもご相談ください

被害後まもない方へイラスト

当センターにご相談ください

残念ながら、社会のなかには男性は性被害にあわない、
性被害にあっても傷ついたりしない、 というまちがった思い込みを信じている人がいます。

性被害にあったことを勇気を出して誰かに打ち明けても、男性だからといって信じてもらえなかったり、
被害を軽くみられたり、 あなたをいっそう傷つけるような言葉や態度が返ってくるかもしれません。

私たちは、あなたのお話しを聞き、一緒に歩んでいきたいと思っています。
あなたの気持ちを病院や警察などに伝えるお手伝いをしたり、付き添うことができます。
私たちにご相談ください。 相談は無料で、匿名でご相談いただけます。
相談内容について、秘密は守ります。安心してご相談してください。

092-409-8100

医療機関への付き添い

あなたのからだの状態はどうでしょうか。
ひどいけがを負っていたら、迷わず救急車を呼ぶか、
救急外来へ行って手当を受けてください。
命にかかわるケガでなかったとしても、
あなたのからだに性器や何かものが挿入されたときは、
からだが傷つくことがあります。

どこにいけばいい?

からだに外傷(切り傷、擦り傷、けがなど) 外科
肛門や尿道にペニスや何かものを挿入された
ペニスや睾丸の傷
泌尿器科
外科
性感染症検査 泌尿器科
性病科
保健所

警察への付き添い

感染症にかかる危険もあります。感染症は、治療したり防いだりすることができます。必ず病院で診てもらいましょう。
もし性暴力にあったことを言うのが難しければ、そのことは伏せて、治療を受けることも可能です。
もし話しても大丈夫だと思えば、何が起こったかを説明して、助けを求めてください。HIVや感染症の心配がある場合は、
その検査をしてほしいと伝えてください。 性感染症に感染しているかは、検査でわかります。
ただし、感染症によって検査可能な時期が異なりますので、注意が必要です。

性感染症の検査
感染症の種類 潜伏期 検査可能時期 主な症状(初期)
淋病 2~7日 感染より3日後 悪臭を伴う緑黄色のおりもの(女性)
尿道からの黄色の膿、排尿痛(男性)
性器クラミジア 2~3週間 感染より2~3日後 ほとんど無症状、おりものの増加(女性)
排尿痛、尿道からの膿(男性)
喉に感染することがあり、咽頭炎、扁桃炎の原因となる
性器ヘルペス 3~7日 症状が出たとき 性器周囲に水泡ができる強い痛みを伴う
性器カンジダ 数年間潜伏 症状が出たとき ヨーグルト状のおりもの、強い痒み
膣トリコモナス 1~3週間 感染より2~3日後 白色、黄色の泡状、膿を含んだおりもの悪臭を伴う
梅毒 3週間 感染より1ヶ月 感染した場所(口、性器、肛門等)に
小豆大からエンドウ豆大位の痛みのない
赤いできものができる。約1ヶ月で消失するが、
3ヶ月後~3年で再び全身に斑点やぶつぶつができ、
長期に渡って進行する
B型肝炎 1~6ヶ月 感染後3ヶ月後、
または症状ある時
食欲不振、吐き気、嘔吐、全身のだるさ、
初期の風邪様の症状
エイズ(HIV) 数年~10年 感染から3ヶ月後 感染初期(2~4週間)で発熱、喉の痛み、
全身のだるさなどインフルエンザのような症状が
でることがあるが、数週間で消失する。
その後数年~10年ほど無症状期が続く
この期間に免疫力の低下により、エイズ発症に至る
尖圭コンジローマ 数週間~3ヶ月 感染後症状ある時 性器の周辺に薄いピンクや
茶色のイボがたくさんでき、増殖する

生活支援

「男性が性的な被害にあうはずがない」と理解してもらえません。
男性も被害にあいます。子どもだけでなく、大人も被害に
あいます。アメリカでのある調査では、…4人に1人の少年が
16歳になる前になんらかの性暴力を受けたことがあると
答えたそうです。同年代の子どもからの性的ないじめも数に
数えられています。(Lisak, Hopper, & Soug, 1996)
つまり、どんな男性にも性被害が起こる可能性があります。
グループ・ウィズネス編『性暴力を生き抜いた少年と男性の癒しのガイド』(明石書店、2005年)
あなたはひとりではありません。
「男なのだから、そのつもりなら自分の身は守れたはずだ」
「自分が弱いから被害にあった」と思います。
情けなくてだれにも言えません。
いきなり襲われて逃げられなくなったり、脅されて拒めないことは、
女性でも男性でも同じです。
あなたの行動や体力が原因で性暴力にあったのではありません。
あなたは何も悪くないのです。
自分は同性愛者だから、性暴力を受けても仕方がない?
同性愛者だけが性被害にあうわけではありません。
ほとんどの場合、加害者にとって、あなたが同性愛者か
そうでないかは関係ないのです。また、残念なことに同性愛に対して
差別や偏見を持っている人たちがいます。
差別の末の暴力が、性暴力という形で発生することがあります。
この場合も、あなたが同性愛者だったからいけなかったのではありません。
暴力の責任は、加害者と、暴力を生み出した社会の問題です。
「女性から襲われてうらやましい」と言われます。
加害者が女性であったとしても、あなたの望まない形の
性的接触はすべて暴力です。
望まない性的接触や、子どもにとって早すぎる性的接触は
被害者を傷つけます。からだにもこころにも、その後の
生き方にも大きな影響を与えることがあります。
被害にあったとき、勃起して射精しました。
性的に感じてしまったということは、自分も楽しんだということ?
あなたがその行為を嫌だと思っていても、気持ちよくなったり、
勃起したり、射精したりと、からだが生理的反応を起こすことが
あります。性的な刺激にからだが反応してしまうのは、
とても自然なことです。おかしいことでも恥ずかしいことでも
ありません。 極度のストレスから、からだがそのように反応して
しまうこともあります。
からだが反応したからといって、あなたがその行為に合意したとか、
楽しんだということにはなりません。
あなたが「嫌だ」「したくない」と思った気持ちが一番大切です。